絵本塾カレッジ

 日本児童文芸家協会・絵本塾出版共催「第1回テキストグランプリ」に多数のご応募をいただきまことにありがとうございました。
 審査委員総員8名による厳正な審査の結果、以下の5作品を授賞作品に選出いたしました。

●グランプリ 
「ちょとつ」        立川 治樹 

 賞金15万円(初版印税充当)
 ◇作品は絵本塾出版より単行本の絵本として出版されます

●優秀賞   
「じゃないねずみ」     すみもと ななみ

 賞金5万円 

●佳作    
「さかをのぼれば」     まつだ みほ
「ねこのあったかちゃん」  西山 ひさ乃
「あさのこうてい」     奥原 弘美

 賞状

選考委員(五十音順)
 上野 与志 尾下 千秋 かさい まり 風木 一人 圖師 尚幸 光丘 真理 深山 さくら 山本 省三


【講 評】
 第1回絵本テキストグランプリには、(宣伝が行き届かず、未だ認知度が低いのにもかかわらず)178作品という多くの作品の応募をいただいた。主催者の一員として、心より御礼申し上げる。
 これは、絵本を創りたい、世に出したいという方々がいかに多いかということの証左であろう。
 その熱意が伝わってくるように、そこには、入選した5作品を始めとして、すぐれた、ユニークな作品が数多く見受けられた。
 なかには、絵本としてはむずかしいが、幼年童話としてならば、評価できる作品もいくつかあったが、このコンクールはあくまでも『絵本テキスト』でありたいので、入選に及ばずと、判断させていただいた。ご理解いただければ幸いである。
 どの作品も力作ぞろいであり、どれが入選となってもおかしくない作品ばかりであったが、選考委員としては、苦渋の選択をしたことをお断りしておきたい。
 多くの作品の中から、最終選考に進んだのは以下の14作品。
『ゆきのきょうりゅう』『まるちゃんとてんてんくん』『ねるそのときを おぼえてる?』『さかをのぼれば』『ながれぼし』『ジョニーのトラかご』『キノコのおすもうたいかい』『ねこのあったかちゃん』『あさのこうてい』『シロタのつの』『ちょとつ』『おなかオオカミ』『じゃないねずみ』『フンコロガシファイターズ』(受付順)
 このなかから、以下の5作品が入選となった。入選を逃した作者のみなさんには、紙一重の差であることを心にとめて、捲土重来を願う次第。
『さかをのぼれば』
 いかにも絵本テキストらしい、簡潔な文、テンポのいい画面展開で、絵が眼に浮かんでくる。
『ねこのあったかちゃん』
 とてもあたたかな世界。「わたし」と「おとうと」と「あったかちゃん」の関係が、簡潔でやさしい文で描かれている。
『あさのこうてい』
 一編の詩を読むような作品だが、短い言葉の中に心に残るものがある。ラストの画面はよく考えられていて、うつくしい。
『ちょとつ』
 猪のまっすぐな生き方(猪突猛進)に、笑いながら、共感できる。絵本テキストならでは(ト書きのみのネームレス)のラストが、この物語らしく決まっている。
『じゃないねずみ』
 子どもがよく言う「じゃない」を、うまくストーリーに取り込んでいる。言葉遊びにも発展できる作品。
 以上の5作品が入選となり、そこからグランプリ、優秀賞、佳作が決まっていったのであるが、いずれも甲乙付けがたい作品ばかりで、最後まで選考委員を悩ませたことを付記しておきたい。
 総じて、絵本テキストというものは、ジャンルが幅広く、しかも、それぞれ極めて個性的である。選考委員は楽じゃないと改めて痛感した次第である。
(文責/上野与志)

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