絵本塾カレッジ

第3回絵本テキストグランプリ結果発表

日本児童文芸化協会・絵本塾出版共催

今回は 175点のご応募がありました。回を重ねるにつれて力作が増えております。
それらの力作の中から選ばれましたのは、6作品です。

第三回絵本テキストグランプリに、前年より微増の一七五編の作品が寄せられたことに対し、審査員一同に代って厚く御礼申し上げる。

さて、今回は完成度として群を抜いた作品がなく、選考に苦慮したが、キラリと光るものがあった、別記の十九作品が最終選考に進んだ。そのなかから、『絵本にするためには、どういう作品であるべきか』という絵本テキストの原点を踏まえた真摯な討議の結果、以下の六作品が入選となった次第。いずれの作品も、これから絵本となる過程のなかで、ますます大きく成長していくことが期待できる。

●グランプリ「きょうりゅうかいぞくだん」

岩野聖一郎

創作昔話らしい語り口が巧みで心地よく読ませる。海賊船でやって来て大暴れする大トカゲたちが、どこかユーモラスで、それがラストにつながる展開はとてもいい。しかし、タイトルにある「きょうりゅう」が、本文には登場しないことには疑問符がつく。昔話の時代性を考慮したと思うが、工夫の余地があろう。

●優秀賞「みけんのブルル」

山本佳代子

おかあさんが怒ると、眉間のシワが何本もできて、そのなかからブルドッグが現れる、それがこの物語の主人公ブルル。という前半の展開がおもしろく、設定に説得力を与えている。中盤以降がやや強引だが、それを感じさせないアイディアの独創性が高く評価された。

●審査員特別賞「お代はメザシ三びき」

山崎こうせい

一人ぐらしのおばあちゃんと、それを支えるノラ猫をはじめとする動物たちの心温まるお話。絵本的な展開には乏しいが、今の時代に不足しがちな落語の『人情噺』のような笑いとやさしさがあることが支持された。

●佳作一席「ランドセル なにいれる?」

やまねもりこ 

関西弁で語られるテンポのいい言葉が笑いを誘う。ランドセルが家出するという荒唐無稽な設定を不自然に感じさせない『笑い』の力がある。これに画面展開のダイナミック感が加われば、言うことなしとなるだろう。

●佳作二席「うらめしや〜?」

おぜきはるか

幼児絵本ならではの展開がいい。お化けの子どもの主人公は、人を怖がらせるのが大好き。ところが、怖がってくれない子がいる。それは何者? というその先が気になる展開だが、『種明かし』が早過ぎるのは残念。

●佳作三席「ぼくは かおの でかいねこ」江島雪

多頭飼いで、飼育放棄された「かおのでかいねこ」が主人公。主人公の一人称で語られる過去と現在は心に沁みる。繰り返しの言葉がくどいところがあるが、作者の主人公への愛があふれていて、それを感じさせない。

 (文責/上野与志)

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